棋王戦五番勝負第1局 渡辺棋王-永瀬七段

こんにちは、シーマンです。

先ほど棋王戦第1局が終局し、189手にて渡辺棋王が先勝しました。

 

戦型は先手渡辺棋王の矢倉に対し、後手永瀬七段のツノ銀雁木。

中盤の角交換以降、馬を作りながらも歩切れとなった永瀬七段は、受けに回らざるを得ず、一方の渡辺棋王は、自玉の固さと豊富な持ち駒を活かして攻めを繋げます。

ただ流石の永瀬七段も簡単に土俵を割ることはなく、入玉狙いに切り替えて相手の焦りを誘います。

148手目3三香の場面ではついに永瀬玉が5段目に進出し、あわや事件かと思わされましたが、そこからの渡辺棋王の指し回しも落ち着いており、最後は8段目にまで進出した永瀬玉を見事即詰みに討ち取りました。

 

まず第1局は渡辺棋王が先勝。今期勝率4割台と好調とは言えない中で、五番勝負の第1局を取ったのはかなり大きいように思われます。

以下は個人的な見解ですが、近年ソフトの影響で、自玉の整備はそこそこに速攻を仕掛けるというスタイルが流行しています。一方で渡辺棋王はそのスタイルがしっくりきていなかったように見えました。(ご本人もブログでそのような趣旨の発言をされていたような・・・)ただ本局では矢倉対新型雁木(ツノ銀雁木)という戦型になり、自玉をしっかり固めて細かい攻めを繋げるという得意のスタイルが発揮されていたように見受けられました。

最近は先手矢倉に対しては後手は雁木系の駒組みが主流ですし、渡辺棋王の矢倉はこのタイトル戦で連採するかもしれませんね。

 

一方の永瀬七段、中盤以降の不利な形勢をひっくり返すまでには至りませんでしたが、素人目には受け無しに見える局面から、最終的に入玉を果たしたのは流石の一言に尽きます。先手番となる第2局が楽しみです。

 

それではまた。